【2020年版】首里城火災後の復興モデルコース【首里城公園】

首里城公園(国営沖縄記念公園)は沖縄県那覇市の首里金城町にある、約450年間に渡って存在した琉球王国の政治・経済・文化の中心地だった「首里城正殿」や沖縄のシンボル「守礼門(しゅれいもん)」、火災でも無傷だった『パワースポット』としても有名な「首里森御獄(すいむいうたき)」といった周辺文化財からなる都市公園です。

琉球王国最大の建造物であった「首里城正殿」は2年3ヶ月をかけて琉球王国時代に近い工程と技法によって塗り直しの作業が行われて、平成30年11月に「リニューアルの漆塗り直し」が完了してましたが、2019年10月31日未明におきた火災によって「首里城正殿と北殿、南殿、書院・鎖之間(さすのま)、黄金御殿、二階殿」が焼失してしまいました。

しかしながら沖縄のシンボルである「守礼門(しゅれいもん)」や『世界文化遺産』の一部である「園比屋武御獄石門」、歓会門(かんかいもん)や瑞泉門(ずいせんもん)といった荘厳な城門などは「無傷」なので、新たな首里城をめぐる「首里城復興モデルコース」として、世界中の首里城ファンから復興を応援されて「沖縄の心」を勇気づけています。

守礼門までの簡単なアクセス方法

守礼門までの簡単なアクセス方法

「那覇空港駅」から「守礼門」までのアクセス方法

  1. 「那覇空港駅」
  2. 「首里駅行き」の「ゆいレール乗車」
  3. 「約27分」ほどで着く「首里駅」で下車
  4. 「首里駅」から「徒歩15分」
  5. 守礼門に到着

沖縄のシンボル【守礼門(しゅれいもん)】

沖縄のシンボル【守礼門(しゅれいもん)】
沖縄を象徴するシンボルの「守礼門(しゅれいもん)」は建立されたのが4代目・尚清王時代の1527~55年頃とされており、1933年に「国宝」に指定されましたが、後の太平洋戦争で一度破壊され、現在の門は復元されたもので1958年に再建されました。

守礼(しゅれい)とは「礼節を守る」という意味で、現在の守礼門に掲げられている扁額(へんがく)には「守禮之邦」と書かれ、意味は「琉球は礼節を重んずる国である」と読み解くことができ、ここに掲げられた扁額の「守禮之邦(しゅれいのくに)」から俗称で「守礼門(しゅれいもん)」と呼ばれるようになりました。

守礼門は古くは「首里門(しゅりもん)」と言われていた時期があり、一般庶民は愛称として「上の綾門(いいのあやじょう)」とも呼び、意味は「上の方にある美しい門」で、現在は2000年に発行された「二千円札」の絵柄に採用されたことで知られています。

世界文化遺産の石門【園比屋武御獄石門】

世界文化遺産の石門【園比屋武御獄石門】
守礼門を通り抜けて左手に見えるのが沖縄県指定史跡の「園比屋武御獄石門(そのひゃんうたきいしもん)」で、門に掛けられている扁額の内容から尚真王時代の1519年に創建されたとされ、後の沖縄戦で一度破壊されましたが1957年に復元され、その後に旧石門の「琉球石灰岩」を再利用した修復作業が行われ、現在は国指定の『重要文化財』になっています。

石門の背後にある森が「園比屋武御嶽(そのひゃんうたき)」で国王が各地を巡礼する行事や旅前の安全祈願で必ず拝礼したり、琉球の神官(ノロ)や琉球王国の信仰における最高位の神女の呼称「聞得大君(きこえおおきみ)」の即位式も最初にここを参拝したとされる重要な場所です。

また園比屋武御獄石門は2000年に首里城跡や「斎場御嶽」等の重要な聖地とともに、琉球王国のグスク及び関連遺産群としてユネスコの『世界文化遺産』に登録されました。

首里城の正門【歓会門(かんかいもん)】

首里城の正門【歓会門(かんかいもん)】
園比屋武御獄石門の前の道路を渡って奥に向かって進むと見えてくるのが「歓会門(かんかいもん)」で、首里城の城郭内に入るための「正門」であり、尚真王時代の1477~1526年頃に創建されたとされ、後の沖縄戦で焼失しましたが、1974年に復元されました。

歓会門は外郭にある最初の門で、歓会(かんかい)とは「歓迎する」という意味で、別名は「あまえ御門(あまえうじょう)」とも呼び、「あまえ」とは琉球の古語では「喜ばしいこと」を意味します。

アーチ状の城門の上には木造の櫓(やぐら)が付けられ、左右には「シーサー」という獅子像が対で設置されてますが、これは神社の狛犬や仏閣の仁王像と同じ「魔除けの意味」で置かれています。

瑞泉門(ずいせんもん)と漏刻門(ろうこくもん)

瑞泉門(ずいせんもん)と漏刻門(ろうこくもん)
石段の上にある「瑞泉門(ずいせんもん)」は1992年(平成4年)に復元されたもので、扁額にある「瑞泉(ずいせん)」の意味は「立派な、めでたい泉」と読み解くことができ、この名前は門の手前右側にある湧水の「龍樋(りゅうひ)」に因んで付けられたとされ、別名で「ひかわ御門(うじょう)」とも呼ばれています。

更に石段の上にある「漏刻門(ろうこくもん)」は15世紀頃に創建されたとされ、扁額にある漏刻(ろうこく)とは「水時計」という意味で、この門の櫓(やぐら)に水時計が設置されていたことから名が付けられたとされ、当時は国王に敬意を表すために高官でさえも、この場所で駕籠(かご)を下りたことから、別名「かご居せ御門」とも呼ばれています。

広場から展望できる沖縄の絶景

広場から展望できる沖縄の絶景
漏刻門を通り抜けた先には広場があり、真ん中には「日影台(にちえいだい)」と呼ばれる十二支の刻まれた日時計が1739年から設置されており、「漏刻門(ろうこくもん)」にあった水時計の補助的な道具として、1879年の廃藩置県まで使われていました。

広場からは首里城外郭の北側に位置する通用門として主に女性が使用していた「久慶門(きゅうけいもん)」が見渡せて、晴れた日はこの場所から「沖縄の海と町並みの絶景」や「龍潭(りゅうたん)」「円覚寺跡」「沖縄県立博物館」などの首里城周辺にある観光スポットも見ることができますので、次に行く場所の下見としてもお勧めします。

福を行き渡らせる【広福門(こうふくもん)】

入場券の発売所【広福門(こうふくもん)】
日影台がある広場の右手にあるのが「広福門(こうふくもん)」で、創建された年代は公式でも不明とされ、門の上部にある扁額には「廣福(こうふく)」とありますが、これは「福を行き渡らせる」という意味をもっています。

広福門は別名で「長御門(ながうじょう)」や「中御門(なかうじょう)」とも呼ばれ、明治末期に小学校が造られるにあたり一時期撤去されてましたが、1992年(平成4年)に木造の外観が復元され、2019年10月におきた火災の前は首里城本殿に行くための「有料エリアの入場券の発売所」としても利用されていました。

首里城屈指のパワースポット【首里森御獄】

首里城内屈指のパワースポット【首里森御獄】
広福門を通り抜けた先にあるのが「下之御庭(しちやぬうなー)」と呼ばれる広場になっていて、城壁の手前にある礼拝所が「首里森御獄(すいむいうたき)」で、城内にある10カ所の拝所である「十嶽(とたけ)」の中でも最も格式の高い拝所の一つで『首里城内屈指のパワースポット』としても知られています。

『琉球開闢(かいびゃく)神話』によれば、首里森(すいむい)とは首里城の別称で、天上の神が造られた聖地であるとされ、この場所を中心に首里城が形成されたと考えられています。

首里森御獄は1997年に復元されましたが、過去には国王が各地を巡礼する行事の時に祈りを捧げ、神女(ノロ)達が多くの儀礼を行った重要な場所で、2019年10月の大きな火災でも「無傷」だったため、新たな「沖縄復興のシンボル」として注目を集めています。

再建エリア入口【奉神門(ほうしんもん)】

有料エリアの入口【奉神門(ほうしんもん)】
首里森御獄の前にあるのが有料エリアの入口「奉神門(ほうしんもん)」で首里城正殿のある御庭(うなー)に入るための最後の門とされ、創建は1562年以前に遡り、現在ある門は1992年(平成4年)に外観が復元されたもので、門の上部にある扁額の「奉神(ほうしん)」とは「神を敬う」と読み解くことができます。

奉神門には3つの門の入口があり、以前は中央入口が国王や賓客などの身分の高い人だけが通れる門であり、それ以外の一般の人々は左右にある門から出入りしたと言われています。

この門から先は現在「再建予定エリアのため立入禁止」になっています。

首里城正殿(再建予定エリア)

首里城正殿
琉球王国最大の木造建造物である「首里城正殿」は1712年頃に再建された「正殿」をモデルとして1992年に復元されたもので、別名で「国殿」または「百浦添御殿(ももうらそえうどぅん)」とも呼ばれ、全国百の浦々を支配する象徴として最も重要な建物でした。

首里城正殿の前面に拡がる「御庭(うなー)」は年間を通して様々な儀式が行われていた広場で、赤と白の磚(せん)【敷き瓦】が敷かれていますが、これは儀式の際に役人が位の順に並ぶ目印の役割をはたしたと言われ、中央にある朱い道は「浮道(うきみち)」と呼び、国王や身分の高い人だけが通ることを許された道です。

2019年10月31日未明に首里城の正殿付近が火元とみられる複数の要因で起きた火事によって「首里城正殿」と北殿、南殿、書院・鎖之間(さすのま)、黄金御殿、二階殿の貴重な遺産が全焼してしまいましたが、過去に4回もの火災に見舞われた時も「不死鳥の如く蘇って」沖縄の人々を励ましてきました。

首里城の再建は莫大な費用と年数がかかると言われてますが、琉球の歴史を物語るシンボルである「首里城」をもう一度復元しようと「首里城」再建支援プロジェクトが立ち上がり、世界中から「一日も早い首里城再建に向けて」多くの温かいご支援や励ましの言葉が届き「沖縄の心」を勇気づけています。

再建予定の南殿【下庫理(しちゃぐい)】

正殿内を見学【番所(ばんどころ)と南殿】
火災前は「番所(ばんどころ)」から靴を脱いで「正殿内を見学」することができましたが、現在は再建までに莫大な費用と時間がかかってしまうので、最新のテクノロジーを駆使した「VR(バーチャルリアリティー)」で正殿内を「仮想空間」で完全再現することや、2020年3月上旬に首里城があった広場から「プロジェクションマッピング(映像投影)」等の復興に向けての実施が予定されています。

正殿内の一階にある「下庫理(しちゃぐい)」は国王が自ら政治や儀式を執り行う場所で、両脇の朱柱(しゅばしら)には4本爪の金龍と五色の雲が描かれて、公式の記録では両脇に麒麟(きりん)と鳳凰(ほうおう)の絵が掛けられていたとされています。

「2019年10月におきた火災によって焼失しました」が現在再建を予定しています。

再建予定の国王の玉座【御差床(うさすか)】

一番見所の国王の玉座【御差床(うさすか)】
正殿内の二階は「大庫理(うふぐい)」と呼ばれ、日常的には王妃や身分の高い女官達が使用した空間で、琉球王国最高の聖地である「斎場御嶽」にも同じ名前があり、これは首里城と斎場御嶽との関わりの深さを表していると言われています。

中央に「一番の見所」である黄金の装飾が施された国王の玉座がある「御差床(うさすか)」は、国王の玉座として様々な儀式や祝宴が行われた場所で、飾ってある扁額にある「中山世土(ちゅうざんせいど)」は古い記録をもとに再現したもので、当時での意味は「琉球は中山(ちゅうざん=琉球国王)が代々治める土地である」とされています。

「2019年10月におきた火災によって焼失しました」が現在再建を予定しています。

復興コース出口【木曳門(こびきもん)】

復興モデルコース出口【木曳門(こびきもん)】
新たな復興モデルコースである「早回りコース」と「首里城公園ビュースポットコース」の「出口」にあたるのがこの「木曳門(こびきもん)」で、15世紀ごろに創建されましたが後の沖縄戦によって一度破壊された後1992年に復元されました。

木曳門は「琉球石灰岩」が積み上げられた石造りのアーチ型の扉がない門で、琉球王国時代の通常時には門を石でふさいでいましたが、首里城を修復する時の材木を搬入(曳く)するために利用されたことから「木曳門(こびきもん)」という名前がつけられました。

おみやげ品が揃う【首里杜館(すいむいかん)】

おみやげ品が揃う【首里杜館(すいむいかん)】
木曳門から真っすぐ坂を下って行くと見えてくるのが「首里杜館(すいむいかん)」で施設の中では、琉球料理の「ゴーヤーチャンプルー定食」や「島豚アグーの生姜焼き丼 」等が食べれるレストランや「首里城公園限定のオリジナル商品」や雑貨等の「おみやげ」が買える売店が揃っています。

首里杜館は首里城公園全体のインフォメーションセンターで総合案内所での問い合わせや「無料の休憩室」が備えられており、情報展示室では「見学が無料」でパネルやビデオ映像などによる首里城の歴史を学ぶこともできます。

首里杜館の地下1階と2階は駐車場になっていて、駐車台数が50台~116台(季節によって調整)と少なめですが「コインロッカー」や1階と地下1階にあるショップ「紅型(びんがた)」で「沖縄限定のおかし」や伝統工芸品を基に作られた民芸品なども販売しています。

旅行の達人の観光ガイド

復興モデルコースの所要時間は「守礼門」から「首里杜館」までの「早回りコース」で「30分~1時間」程で、「首里城一周コース」や「首里城まちまーいコース」は「2時間~2時間30分」は楽しむことができるオススメの観光スポットです。

沖縄の快晴時は「3月でも日差しが強いので」タオル、帽子、日傘などの熱中症対策を用意して行くのがお勧めです。

首里城公園に初めて行く方は「首里駅」から「守礼門」までの道程が分かり難く、暑い中を徒歩で15分以上かかりますので、「首里城前」下車後に「守礼門」まで「徒歩1分」で行ける「バスかタクシーを使ったアクセス」がオススメです。

首里城公園への車でのアクセスは「那覇空港駅」から「約40分~60分」(約10km)、「国際通り」からは「約15分~25分」(約4km)で「守礼門に一番近い駐車場」は「首里杜館駐車場(地下)」で、朝の8:00から入庫できますが、駐車台数が50台~116台(季節によって調整)と少なく「早い時間帯でも満車になることが多い」ので、混雑している場合は首里城公園周辺に「民間の駐車場(500円)」が複数あります。

首里城公園の観光情報

スポット名】首里城公園
住所】沖縄県那覇市首里金城町1-2
電話番号】098-886-2020
交通アクセス
■「那覇空港駅」から「ゆいレール・首里行き」乗車⇒「首里駅」又は「儀保駅」下車⇒徒歩15分

■「那覇空港駅」から「ゆいレール・首里行き」乗車⇒(約27分)「首里駅」下車⇒「首里駅バス停」首里城下町線(7・8)番の上りに乗車⇒(約5分)「首里城前」下車⇒徒歩1分

■「那覇バスターミナル」首里城下町線(7・8)番の下りに乗車⇒(約35分)「首里城前」下車⇒徒歩1分
【自動車・レンタカー】
■「那覇空港」から車で「約40分~60分」(約10km)

■「那覇市内(国際通り)」から車で「約15分~25分」(約4km)
料金
入園料金は無料
営業時間
4月~6月【無料区域】8:00~19:30
7月~9月【無料区域】8:00~20:30
10月~11月【無料区域】8:00~19:30
12月~3月【無料区域】8:00~18:30
定休日】年中無休(首里杜館は毎年7月の第1水曜日とその翌日)
ホームページ公式サイト

守礼門の地図情報

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