
浅草寺(せんそうじ)は創建628年(推古天皇36年)で東京都内では最も古い歴史を持つ「都内最古の寺院」で、天下泰平の象徴、聖観音宗の総本山「浅草観音」として多くの信仰集め、国内のみならず世界各国から人気が絶えず「年間約3000万人超」もの参拝者が訪れる『東京を代表する観光スポット』の一つです。
山号は「金龍山」で、著名な武将たちの崇敬を集め、江戸時代の始め頃に「徳川家康」が祈願所と定められ観音霊場として多くの参詣者を集めました。
境内には浅草のシンボル的な存在の「雷門」おみやげ品やグルメが豊富に揃う「仲見世通り商店街」パワースポットの仁王像が奉納されている「宝蔵門」絶対秘仏である聖観世音菩薩を祀る観音堂「浅草寺の本堂」など、下町の古きよき伝統文化が残る仏閣です。
この記事の目次
浅草のシンボル【雷門】
浅草といえば「東京を象徴する風景」としてガイドブックやツアー等でお馴染みである風神と雷神が守護する「浅草のシンボル」で「撮影スポット」としても人気の雷門。
雷門の赤い大提灯の重さは「約700kg」もあり正式名称は「風雷神門」という総門で、門に向かって右手が風を司る神の「風神像」左手が雷を司る神の「雷神像」が安置され「風水害を除け」「五穀豊穣の祈り」も込められています。
風雷神像の背後には「浅草寺の護法善神」である「天龍像」と「金龍像」が安置され、どちらも「水を司る龍神様」と深い繋がりがあるとされる『パワースポット』として、鎌倉時代から多くの人々や東京全体を見守ってきました。
雷門の赤い提灯に隠された秘密
雷門の赤い提灯にも「隠された秘密」があり、提灯を下から覗くと精巧に彫られた迫力ある「龍神様の彫り物」を見ることが出来ます。
昔は木造建築が多く建物が密集していて、火事が起きた時に火が広い範囲に渡ってしまうことから、水の神様で雨を降らせて家などを守る「雨降らしの龍神」として江戸時代から崇められていたと云います。
おみやげ品が豊富に揃う【仲見世通り】
仲見世通りは「雷門」から「宝蔵門」へと続く「長さ約250m」ある浅草寺の表参道で、両脇に90店以上の「おみやげ品やグルメが豊富に揃う」商店が参道の両側に並ぶ「日本で最も古い商店街の一つ」です。
下町風情あふれる商店街では「浅草きびだんご」「炭火手焼せんべい」「揚げ饅頭」等のグルメを食べることができますが、2017年からの仲見世通りは「fa-exclamation-triangle一部で食べ歩きが禁止」になっており「指定のスペース」か「迷惑にならない場所」で食べることが出来ます。
浅草寺の「おみやげ品」には雷門に由来し、家を「おこし」、名を「おこす」といわれる縁起物「雷おこし」や浅草寺の五重塔や雷神さまをかたどった「人形焼き」といった名物の菓子類や、外国人観光客が喜びそうな「帯」や「かんざし」等の「江戸情緒あふれる商品」が人気がありオススメです。
仁王像が奉納されている【宝蔵門】
仲見世通りから本堂に向かう途中には雷門と同じような赤い提灯に「小舟町」と書かれ両端に仁王像(金剛力士象)が奉納されている「宝蔵門」があります。
初代の門は942年(天慶5年)に建立され、江戸時代には「徳川家光」の寄贈で建立されましたが、1945年の東京大空襲で焼失し、現在の門は浅草寺の山門としてだけでなく、内部に寺宝を収蔵する宝蔵門として1964年に再建されたものとなります。
両端の仁王像は本堂に向かって左側が物事の始まりを表す「阿形(あぎょう)」右側は物事の終わりを表す「吽形(うんぎょう)」という口元の表情が異なった仁王像が祀られていることから別名で「仁王門」と言われています。
阿吽(あうん)の仲【対となる仁王象】
阿吽(あうん)は仏教の真言の一つで、梵字において「阿(あ)」は口を開いて最初に出す音(Α)「吽(うん)」は口を閉じて出す最後の音(Ω)であり、それぞれ宇宙の始まりと終わり表す言葉とされています。
また対となる物を表す用語としても使用され、特に「神社の狛犬」「沖縄のシーサー」など対で存在する像のモチーフとされてきました。
浅草寺は本堂に向かって左側に阿形像、右側に吽形像が置かれていますが、実はこの配置は、日本にある多くの仁王像の位置とは「逆」に配置されています。
魔を追い払う【仁王様の大わらじ】
宝蔵門の反対側には守護神の力が宿り工夫、創造、努力、忍耐、親切、奉仕、融和の「7つの結晶」が編みこまれた【仁王様の大わらじ】が奉納されています。
全長4.5mもある大わらじは、仁王様の力を表しており「この様な大きなわらじを履くものがこの寺を守っているのか」と驚いて魔が去っていくと云われ「パワースポット」として「身体健全」や「厄除け」のご利益があるとされています。
聖観世音菩薩を祀る観音堂【浅草寺の本堂】
宝蔵門を過ぎると正目に見れるのが浅草寺の「本堂」で別名「観音堂」とも呼ばれ、旧本堂は「国宝」に指定されていましたが昭和20年(1945年)の東京大空襲により焼失し昭和33年(1958年)に再建されました。
本堂へ入る前に「常香炉の煙で心を清めて」からお参りするのが基本で、香閣の煙を「身体の悪い部分」や「これから良くしたい箇所」にあてると良いとされています。
本堂である観音堂は「大きな賽銭箱」が置いてあり中央に「聖観世音菩薩」が祀られ、御宮殿の左右には梵天・帝釈天が安置され「金運」などのご利益があるとされてます。
本堂の外陣の天井に描かれた【3つの天井絵】
本堂外陣を見上げると「3つの天井絵」があり、中央の絵は川端龍子(かわばたりゅうし) の「龍之図」、左右の絵には堂本印象(どうもといんしょう) の「天人之図」が描かれています。
正面額には「施無畏(せむい)」と書かれてますが「施無畏」とは「畏(おそれ)れ無きを施(ほどこ)す」と読み解くことができ、人々の不安や恐怖を取り除く観音さまのおはたらきそのものを意味しています。
住職でさえ見たことがない【絶対秘仏】
浅草寺のはじまりは、628年(推古天皇36年)で隅田川で地元の「檜前浜成(ひのくまのはまなり)」と「竹成(たけなり)」の兄弟が漁をしていたところ、綱に一体の聖観音像がひっかかり見てみると、大きさは一寸八分(約5.5センチ)と小振りたが「黄金像」だったため、兄弟は土地の豪族「土師中知(はじのなかとも)」の元へと持ち込んで祀ってもらいました。
そして約二十年後の645年(大化元年)に、この土地に錫杖をとどめた勝海上人(しょうかいしょうにん)が夢のお告げによって、この地に観音堂を建立し「秘仏」と定めました。
浅草寺の観音像は、納められた厨子が固く閉ざされており、住職でさえ見たことがない「絶対秘仏」として伝えられていますが、歴代の住職の中には、身を清めた上で厨子の扉を開いた者もいましたが、にわかに目の前が暗くなり、観音像を目にすることができなかった話や、明治時代の廃仏毀釈(はいぶつきしゃく)の際に役人が無理やり開けようと須弥壇(しゅみだん)に上った役人の一人が突然転落死するという事件も起きています。
浅草寺の絶対秘仏の中身
非公式ですが「秘仏」を目撃した報告が複数あって、一人は徳川のある将軍とされ、強引に扉を開けさせたところ、中には「金龍の目貫(日本刀の刀身と柄とをつなぐ針)が入っていたとされています。
また1869(明治2年)に、天皇の勅命によっても開帳され、この時に厨子の奥に鎮座していたのは、奈良時代のものだと思われる「二十センチの青銅の菩薩像」があったそうです。
さらに、矢田挿雲著の『江戸から東京へ〈三〉』(中公文庫)には、廃仏毀釈の役人による臨検事件の直後、住職だった惟雅(ゆいが)僧正は「寺をあずかる身としては、ご本尊の実態ぐらいは知っておかないといけない」と、目がつぶれる覚悟して秘仏を確認すると、秘仏は厨子の中ではなく、その裏板の間に隠された仏像の体内に封じられていました。
その仏像から出てきたボロボロの布切れを丁寧にめくると、一寸八分(約5.5センチ)の「白金の聖像」出てきたとされ、白金(プラチナ)は金とは違い、千七百度の高温まで耐えることができるので、過去の大きな火災の際にもその形を維持しているとされ、現在も世界中の多くの参拝者を見守っています。
浅草寺の都市伝説【おみくじに凶が出やすい訳】
神社は「おみくじ」の凶を引くのを嫌がる人が多く居るので、全く入れない神社もあるのですが、浅草寺の「おみくじ」は今でも凶が出やすいことで知られています。
なぜ凶を引く確立を変えずにいるかというと、凶には「これ以上運気が悪くならない」という意味にも捉えることができ、一番下から昇り調子に頑張りたい時は「大吉以上の最強の運勢」なので、あえて今も残しているのかもしれません。
(信じるか信じないか「お主」次第でござる)
ライトアップでより美しい【夜の浅草寺】
浅草寺は2003年から「ライトアップ」が開始され「日没から23:00頃まで」に普段とは景色が大きく違う「夜の浅草寺」を楽しむことが出来ます。
普段は人が多く賑わっている「仲見世通り」も19時を過ぎれば人が消えて落ち着いた雰囲気になり、朱色がより美しい「宝蔵門」や「五重塔」も見られるので「人が多い所が苦手な方」や「一人旅の方」でゆっくりと下町を散策したい方にもオススメです。
浅草寺の観光情報
【スポット名】浅草寺(センソウジ)
【住所】東京都台東区浅草2丁目3-1
【電話番号】03-3842-0181
【交通アクセス】
(1)東武伊勢崎線:浅草駅より徒歩5分
(2)東京メトロ銀座線:浅草駅より徒歩5分
(3)つくばエクスプレス:浅草駅より徒歩5分
(4)都営地下鉄浅草線:浅草駅A4出口より徒歩7分
【料金】無料
【営業時間】夏季(4月~9月)6:00~17:00 冬季(10月~3月)6:30~17:00
【定休日】年中無休
【ホームページ】公式サイト